記述対策で私が大切にしていたことを書いてみます。
➀構成をある程度決めておく
私は時間削減のために、構成を決めていました。1)自分の意見をはっきり提示する
2)異なる意見への配慮
3)1と2を合わせて結局どうするのか
いつもこんな感じです。
でも、これ、あまりいい書き方だとは思いません。
巷の小論対策や、記述対策では
➀自分の意見の提示
②論理
③反対意見
④反対意見をへの反論
⑤再度自分の意見を提示
という書き方が一般的だと思いますし、この書き方の方が確実に点数を取ることが出来ると思います。
でも、私は”日本語教師の資質はそこにあるのか?”という疑問がありました。
私たちって、国・文化背景・所属意識が異なる人たちと接しているわけですよね。
勿論お互い人間ですし、根本的には同じものだと思います。
だからこそ、自分の意見を押し付けているだけじゃダメだと思うんですよ。
”自分の意見が正しい”と思っているのと同じくらい、相手も”自分の意見が正しい”と考えているわけです。
そこで「どちらが正しいか」なんて言い合って、相手をねじ伏せたとしても、それは正しい方法なのでしょうか。(人命にかかわるとき、人に迷惑をかける時は別です。)
じゃあ、どうすればいいのか。
それを私なりに考えた結果が、お互いの納得できる落としどころを見つけることでした。
自分の意見も殺すことなく、相手にも配慮できる方法がいいんじゃないかと思います。
なので、私の書き方は、普通の書き方対策と異なります。
よって、もし同じ書き方をするのであれば、自己責任でお願いします。
絶対真似しない方が良いと思います!
が、一応触れないわけにもいかないので書きます。
※今年の記述問題を見ましたが、検定がリニューアルされてかなり記述問題の質が変わったように感じました。(いい悪いではなく、自分の考えを提示する系の問題?)
よって、あまりこの記事は役に立たないと思うので、検定まで時間がない人は読むことをお勧めしません!時間の無駄です!
➀-1 私が書いた記述文
お恥ずかしいのですが、例がないと分かりにくいので私が書いた記述文を掲載します。記述文が上手になりたい…。
問
学生から「違う立場で意見を述べることが苦痛なのでディベートの授業はやめてほしい」という申し入れがあった。あなたはどうする?
答
私は、今後もこのクラスでディベートを取り入れた活動を行う。
論理的思考能力を高めるには、自分の考えを相手に理解してもらえるように順序だてて述べる力や、相手の主張を感情に流されず冷静に分析・理解する力が必要とされる。
ディベートには、それらの力を身につけるための要素がある。また、自分とは違う意見に気付く事で、多方面から論理的に物事を考える能力が身につくことも期待できる。
文化的背景の異なる国で生活していくためには、それらの力が必要だと考えられるし、理解できない文化を、自分とは異なる見方で考えるきっかけにもなりえる。
しかし、学習者の「違う立場で意見を述べる苦痛」にも配慮したい。ディベートの特性と学習者の申し入れを統合し、まずは学習者が賛同できる立場で活動を行い、二回目は逆の立場から活動を行う。一度自分の主張を述べることにより、苦痛を和らげることが出来、更に自分では気が付かなかった見方や、新しい考え方が得られると期待する。
②必ずどちらの立場にも立つ
記述問題には「漢字の書き取りをしたくない」とか、「学習者レベルを統一するべきか否か」とか「教え方を統一すべきか」とか、どちらの立場でも一理あるものが多いです。相手の意見は悪い!なんて言えません。
なので、相手の良い所や、気持ちを汲み取る内容は書いています。
例えば26年?の試験に「ホストファミリーに『日本人はそんな言い方しない』と言われてしまった学習者」の話が出てくるのですが、これもよく考えれば「自文化(自分の気持ち・文化)v.s他文化(日本文化)」の対立だと考えられます。
この問題も、「日本の社会的規範を説明しつつ、それから逸脱しない自分の気持ちは伝わる良い方をアドバイスする」という内容を書きました。
日本の社会的規範を説明するだけでもいいのですが、学習者の気持ちをないがしろにするのはどうかと思うし、伝えるために言語があるのだから、方法を教えるのが教師の存在する意味だろうという考え方です。
③なるべく用語を使う
私は、記述問題を「自分が知っていることをアピールする場」とも考えているので、できるだけ検定に出てくる用語を使う方が良いと思います。あと、文字数も節約できるので!(笑)
可能であれば、記述の問題文から、【どんな用語を使う事を期待しているのか】まで想像できると良いと思います。
例えば、私が「学習者のレベルを分けるか否か」と聞かれたら
コミュニカティブな活動・意味交渉・役割分担・メタ認知・共同作業・社会的ストラテジー……
等の用語を想像します。
そこから、レベルはわけない。わけない利点として、コミュニカティブな活動をしたときに、意味交渉や社会的ストラテジーを多用できるし、役割分担や共同作業を行うことで「自分は何が得意なのか」とメタ認知できる。
的なことを書こうと思います。
④原稿用紙のルールをちゃんと守る
学生の小論対策や作文の添削をするんですから、ここはちゃんとやりましょう(笑)「原稿用紙 使い方」とか検索すれば出てきます。
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